親なきあとコンパスにこめた想い
「親なきあと」問題。
これまで多くの書籍や講演では、重めの知的障がいのある子を想定した内容が多かったように感じています。
私自身も、親なきあとに悩む当事者として、そこから多くのことを学ばせていただきました。
そして、その中で「親なきあと」の代表的な解決モデルとして示されてきたのが、
- 障害者名義の預金は、残さない方がいい
- 不動産も持たせない方がいい
- 将来は施設やグループホームで生活し、お金の管理とサポートは兄弟か、成年後見人が担う
というモデルでした。
もちろん、こうした方法が最適なご家庭もたくさんあるのですが、
私はそのモデルケースを繰り返し目にするたびに、戸惑っていました。
「そのモデルケースに当てはまらない家庭は、どう備えればいいのだろう。」
「その福祉制度は、知的な遅れがない場合でも、日本のどこの市町村でも、そして10年後の日本でもちゃんと使えるのだろうか?」
障がい特性も、親なきあとの悩みも、本当にさまざま。
最近では、精神的な障害の方が、障害年金を受給できない事例が増えています。
就労継続支援や障がい者雇用で働けたとしても、経済的に余裕のある暮らしには、なかなか届きません。
グループホームでの生活が、特性上、集団生活が苦しく、難しい方もいます。
「せめて自宅だけは住まいとして残してあげたい」と願う親御さまもいます。
成年後見人がつくほどではなくても、お金の管理や契約に不安が残ることも多いでしょう。
地域のヘルパーさん不足も社会問題となっています。
困っていても、自分から助けを求められず、誰にも気づいてもらえなかったらどうしたらいいのでしょう?
頼れるごきょうだいや親戚がいないご家庭もたくさんありますし、
きょうだいにはきょうだいの、親には話せない想いや葛藤があるかもしれません。
そして何より、
障がいのある人自身にも、
自分で選びたいものがあり、
やってみたいことがあり、
欲しいと思うものがあり、
「自分らしく暮らしていきたい」という、当たり前の願いがあります。
我が家らしい道をえらぶこと
そんな人たちの「親なきあと」は、どうやって考えていけば良いのでしょうか。
「親の責任で、自分たちで何とかしていかなければならないのだろうか・・・。」
そんなプレッシャーを抱えながら、私もずっと、ずっと不安でした。
正直に言えば、いくら調べて、学んでも、その不安は、今日も完全には消えていないのです。
(親とは、きっと、そういうものなのかもしれません・・・。)
だから私は、「心配いらないですよ」と軽々しく言うことはできないけれど、
「ご家族にとっての一番良いと思える方法を、一緒に見つけていきましょう」
という想いでこのブログを書いています。
遺言や任意後見、信託、相続、福祉制度、お金や生活のこと。
この『親なきあとコンパス』が、
ご家族の未来を考える 小さなきっかけになれたら、とてもうれしく思います。




