「マル優(少額預金の利子所得等非課税制度)」という制度をご存じでしょうか。
私も最近改めて制度を調べてみたのですが、正直な第一印象は、
「節税額は小さいな……これ、意味ある??」
というものでした。
だからといって、「意味がない制度」というわけではありません。
親なきあとを考えるときは、節税額だけではなく、その制度を利用するための手続きや、お子さまに合っているかどうかまで考えることが大切です。
「ネットで手続きできる?」「窓口に行くと成年後見人を立てるように言われるの?」といった、よくある不安や疑問についても書きながら、制度の仕組みだけでなく、「親なきあと」の視点からマル優について考えてみます。
マル優って何?
「マル優」は、「少額預金の利子所得等非課税制度」の通称です。
障害者手帳をお持ちの方など、一定の要件を満たす方は、預貯金など元本350万円までの利息が非課税になります。
通常、預金の利息には約20%(20.315%)の税金がかかりますが、マル優を利用すると、この税金がかかりません。
また、「特別マル優」という制度もあり、個人向け国債などの一定の公社債などを対象に、こちらも元本350万円まで非課税となります。
マル優と特別マル優の両方を利用できる場合は、合計700万円までの非課税枠を活用できます。

マル優は、障害者手帳などの確認書類を提出して利用する制度です。
私が「意味あるの?」と思った理由
今日本は少しずつ金利が上がってきていますが、それでも預金金利はまだ高いとは言えません。
例えば、元本350万円を年0.4%の定期預金に1年間預けた場合、
マル優によって増える手取りは、おおよそ年間2,800円程度です。
もちろん、金利がさらに上がれば差額も大きくなりますし、元本保証の範囲で少しでも手取りを増やせるという意味では、良い制度です。
ただ、「節税額だけ」を見ると、劇的なメリットがある制度ではないと感じる方も多いでしょう。
元本保証の預金を重視したいご家庭には⚪︎
「年間数千円なら気にしなくてもいいかな」と思われるかもしれません。
しかし、預金を中心に資産を管理したいご家庭にとっては、
「使える制度は使っておく」
という考え方も一つの選択肢です。
特に、価格変動のある金融商品ではなく、元本保証の預金を重視したいご家庭には、相性のよい制度ですし、定期預金は満期になるまで貯めておくという商品ですので、使い込みの防止になりますよね。



マル優は普通預金でも定期預金でもつけられますが、利息にかかる非課税制度なので、少しでも利息の高い定期預金につける方が多いようです
メガバンクの申し込み方法:有人窓口での本人確認が必要(注意あり!)
論から言うと、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、ゆうちょ銀行などの大手銀行では、最初の申し込み(新規登録)は原則として「有人窓口での対面手続き」が必要です。
- ネットバンキングは使えない? ネット上で定期預金口座を作ると、自動的に税金が引かれる「課税口座」になってしまいます。マル優を適用させるためには、必ず事前に窓口へ行き、登録手続きを済ませる必要があります。
- なぜ窓口に行く必要があるの? 国税庁のルールにより、銀行側が「障害者手帳などの公的書類の原本」を直接確認して、税務署に申告書を提出する義務があるためです。
また、注意点として、お子さまの成人後は親御さまであっても、お子さまの代わりに自由に手続きができるわけではありません。
お子さまの特性や金融機関の運用によっては、本人の意思確認の手続きがスムーズに進まずに、成年後見人のつけるよう求められる可能性もゼロではないため、未成年のうちから準備できることがないか確認しておくと安心です。



マル優の年額2800円の節税のためにだけに、年間何十万の報酬が必要な成年後見人をつけるのは、金銭的なデメリットが大きくて、本末転倒ですよね💦
ネット銀行の対応状況は?ソニー銀行は書面で手続きOK
店舗に行かずにネット銀行でマル優を使いたい場合、銀行によって対応が真っ二つに分かれています。
- ソニー銀行は「郵送手続き」でOK!
ソニー銀行は、ネット銀行の中で数少ない「郵送手続き」でのマル優適用に対応している銀行です。 スマホ等からログインしてマイナンバーを登録した後、カスタマーセンターに電話して書類を請求し、障害者手帳のコピー等を同封して返送し手続きが完了します。 - マル優を取り扱っていないネット銀行
以下の主要ネット銀行ではマル優の取り扱い自体が一切ありません。- 楽天銀行
- 住信SBIネット銀行
- auじぶん銀行
- PayPay銀行
- ※SBI新生銀行は取り扱いがありますが、実店舗の店頭窓口のみの受付となっています。
ネット銀行はシステムによる自動化でコストを抑えているため、手帳のコピーの目視確認や税務署への手作業での申告といった「アナログで面倒な事務作業」が発生するマル優は、対応を見送っているケースが多いのが現状です。
| 金融機関名 | マル優の取扱状況 | 具体的な申込・取引プロセス |
| ソニー銀行 | ◎取り扱いあり(郵送対応) | スマホでマイナンバー登録後、カスタマーセンター経由で請求した書面の郵送授受によって適用を完了させる。 |
| SBI新生銀行 | ⚪︎取り扱いあり(実店舗のみ) | 実店舗の窓口でのみ手続き可能であり、オンラインでの手続きは不可。対象の預金商品も窓口取扱分に限定される。 |
| 楽天銀行 | △取り扱いなし | 制度自体の取り扱いがなく、一切のマル優預入を行うことができない。 |
| 住信SBIネット銀行 | △取り扱いなし | 円定期預金を含め、マル優・福祉定期預金制度は一律で非対応。 |
| auじぶん銀行 | △取り扱いなし | 円定期預金を含め、マル優・福祉定期預金制度は一律で非対応。 |
| PayPay銀行 | △取り扱いなし | 制度自体の取り扱いを行っていない。 |
手続きの煩わしさが不正な引き出しや詐欺を防ぐメリットに
ネットバンキングやATMでの即時解約ができる口座は、便利ですが、詐欺などのリスクに晒されます。
一方、大手銀行などの実店舗でマル優が設定された定期預金等は、オンラインやATMでの即時解約が一律で制限される傾向にあります。
解約や払い戻しには「本人の手帳、印鑑、複数の本人確認書類を持って有人窓口に行く」という対面プロセスが必要になります。
この「物理的な手続きの手間」は、不当な搾取やトラブルから守るための、防犯になるでしょう。
有人店舗のないソニー銀行の場合は、定期預金の解約はネット上で行い、普通預金に移した後にATMから引き出すという流れになります。
まとめ
私自身は、「節税額だけ」を見れば、大きな制度ではないと感じました。
しかしマル優は、単に「数千円の税金を安くする」ためだけのメリットよりも
ご本人が、
安心してお金を長期的に管理できる環境を整える、
定期預金にすることで急な使い込みのブレーキになる
というメリットが意外にも大きいのではないかと思いました
ご本人名義の資産を守るための方法の一つとして、ぜひ参考にしてみてください。
一方で、ご家庭によっては、
- 資産の積極的な運用を考えたい場合
- 信託など別の制度を検討した方がよい場合
- そもそも口座にお金を貯めておかなくてもよい場合
など、選ぶ方法は異なります。
お子さまの特性やご家庭の状況に合わせて最適なケースは変わるので、一緒に考えていきしょう。









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