「子どもが将来、お金を管理できるだろうか」
障がいのあるお子さまを育てる親御さまにとって、お金の問題は大きな心配のひとつです。
親が元気なうちは、生活費の管理や契約の判断をサポートできます。
しかし、親が高齢となりサポートできなくなったあと、お子さま自身が生活していくためには、お金との付き合い方を少しずつ身につけていくことが大切になります。
金融教育というと、「投資」や「資産運用」がまず思い浮かびますよね。
しかし、障がいのあるお子さまにとって必要な金融教育は、それだけではありません。
お金を使う力。
お金を守る力。
困ったときに相談する力。
これらは、ぜひお子さまが若いうちから、実体験を通して身につけていってほしい力です。
※本記事は、金融商品への投資をおすすめするものではありません。
資産形成の方法は、ご家庭の状況やお子さまの特性、理解度によって異なります。証券口座の利用や投資についても、すべてのお子さまに適しているわけではなく、知的障害の有無などのケースバイケースで慎重な検討が必要です。
金融教育は「投資をすること」だけではありません
一般的な金融教育では、
・お金を貯める
・お金を増やす
・投資について学ぶ
ということがテーマになりがちです。
一方で、障がいのあるお子さまの場合、まず大切になるのは、
「自分のお金を守る力」でしょう。
例えば、
・本当に必要なものと、できたら欲しいものを区別する
・知らない人からのお金の話をすぐ信じない
・困ったときに誰かへ相談する
このような 守りの力 がとても重要になります。
2027年開始の「こどもNISA」を機会に
2027年から新しい「こどもNISA」が始まる予定です。
18歳未満のお子さまを対象に、親御さまが口座を開設し、将来に向けた資産形成を行う仕組みです。
長い時間をかけて資産を育てることで、将来のお子さまの生活を支える資金の一部になる可能性があります。
特に、障がいのあるお子さまの場合、
「親が残した財産をどのように管理していくか」
という視点も重要になりますね。
※証券口座を利用した資産形成は、すべてのお子さまに適しているわけではありません。スマートフォンやパソコンを使った口座管理、パスワード管理、金融サービスを安全に利用するための判断力なども必要になります。お子さまの特性や理解度によっては、別の財産管理方法を検討することも大切です。
投資は「増える」だけではありません
投資信託などを長期間保有することで、複利の効果が期待できます。
運用によって得られた利益をさらに運用することで、時間をかけて資産を育てていく考え方です。
しかし、投資にはリスクがあるのが難しいところです。
・市場の状況によって価格が下がることがある
・必要な時期に元本割れしている可能性がある
・預貯金のように金額が保証されているわけではない
ということをお子さまも知っておく必要があります。

将来の生活に必要なお金だからこそ、「増やすこと」だけではなく、「いつ、どのように使うのか」まで教えていけると良いと思います。
親だけで決めず、子どもと一緒に学ぶ
資産形成を考えるとき、大切なのは親御さまだけで準備と手続きを進めることではありません。
お子さまの年齢、理解度に合わせて、
「このお金は何のためにあるのか」
「なぜ今すぐ使わずに置いているのか」
を一緒に考える時間を持つことも大切です。
投資信託とは何か。
価格が上がることもあれば、下がることもあること。
お金には限りがあること。収入以上の支出はしないこと。
完璧に理解できなくても、「自分のお金について考える経験」を意図的に作っていくことが大事だと思っています。
すぐ使えるお金と、将来のためのお金を分ける
障がいのあるお子さまの場合、お金の管理方法は一人ひとり違います。
手元に多くのお金があることで安心できる方もいれば、使える状態のお金が多いことがリスクとなり、管理が難しくなる方もいるでしょう。
例えば、将来のためのお金を長期運用に回すことで、
・すぐに全額を使うことを防ぐ
・将来の目的を意識しやすくする
・長期的な生活資金として考えやすくする
という面もあります。
ただし、「使えないようにする」のではなく、そのお子さまに合った管理方法を考えることが大切です。
最優先で注意したいのは「お金を失うこと」
資産形成を考えるうえで、絶対に忘れてはいけないことがあります。
それは、お金を増やすことだけではなく、
「お金を失わないこと」です。
近年では、
・フィッシング詐欺
・投資詐欺
・悪質な契約
・SNSを利用した勧誘
など、詐欺の狙う手口が巧妙になっています。
「必ず儲かる」
「今だけ特別」
「あなたにだけ教える」
という言葉には特に注意が必要だと、何度も何度も親から子に伝えて教えていかなくてはなりません。



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親御さま自身の資産継承についても一緒に考える
番外編ですが、もう一つ考えておきたいことがあります。
それは、親御さま自身の運用した資産を、将来どのように引き継ぐかということです。
親御さまが準備したNISA等の金融資産も、親なきあとには、お子さまが管理することになります。
お子さまの特性によっては、金融資産をそのまま引き継ぐことが大きな負担やリスクになる場合もあります。
大切なのは「残すこと」だけではなく、信託などを利用しながら「安心して使える形で残すこと」です。
お子さまに合った「親なきあと」の準備を
すべてのお子さまが投資をできるようになる必要はありませんし、何度も書きますが、この記事は投資を進めるものではありません。
知的障害の度合いによって、証券口座の管理が難しい場合もあります。
大切なのは、
「どれだけ増やせるか」
ではなく、
「その子が安心して生活するためには、どのような準備が必要か」
を考えることです。
資産形成、遺言、任意後見、信託など、親なきあとへの備えにはさまざまな方法があります。
お子さまの特性やご家庭の状況に合わせて、準備を進めていくことが、日々の安心を築くことにつながるでしょう。


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