「親なき後」に備える、我が子のための暮らしのチェックリスト|家族で一歩ずつ考える生前対策

「親なき後」のことを考えようと思っても、何から始めればいいのかわからない。
考え始めると、かえって不安になってしまう。

そんな親御さまも多いのではないでしょうか。

親なき後の準備は、最初からすべてを決める必要はありません。

まずは、お子さまがこれからどんな暮らしをしていくのかを思い浮かべながら、「今わかっていること」と「まだ決まっていないこと」を整理してみましょう。

今回は、親なき後の暮らしを考えるための6つのチェックポイントをまとめました。


目次

① お子さまは、どんな暮らしをしたい?

最初に考えたいのは、ご家族が「こうしてほしい」と思う暮らしではなく、お子さま本人がどんな暮らしを望んでいるのかです。

たとえば、

  • 今の家で暮らしたい?
  • ひとり暮らしをしてみたい?
  • グループホームなどで暮らしたい?
  • 今の仕事を続けたい?
  • 休日はどんなふうに過ごしたい?
  • 困ったとき、誰に相談しやすい?

日頃の様子や、これまで本人の話やスキルから、「この子ならどうしたいだろう」と想像しながらじっくり方向性を見つけていきましょう。


② 暮らしを支えてくれる人はいる?

親御さまが支えられなくなったあと、誰がお子さまの生活を支えるのかを考えます。

  • きょうだいに相談できる?
  • 親族に頼れる人がいる?
  • 相談支援専門員など、現在つながっている支援者がいる?
  • 将来も相談できる場所がわかっている?
  • 緊急時に連絡する人が決まっている?

「きょうだいがいるから大丈夫」と思っていても、きょうだいにも仕事や家庭があります。

どこまでならお願いできそうなのか。

「全部任せたい」ではなく、どんなことならお願いできそうなのかを、元気なうちに話しておくと安心です。

現在まで、親と同居し、親が全て仕切っていた場合は、きょうだいが、その負担の重さを実感していないケースもあります。

「面倒を見る」という人がいても、たまに手続きを手伝う程度に考えている可能性もあります。

しっかり話し合っておく必要があるでしょう。


③ 住まいはどうする?

住まいは、親なき後の生活を考えるうえで大きなポイントです。

  • 今の家で暮らす?
  • ひとり暮らしをする?
  • きょうだいや親族の近くで暮らす?
  • グループホームなどを利用する?
  • 施設での生活を選択肢に入れる?
  • 今の住まいを将来どうするか決まっている?

「親が亡くなったら実家にそのまま住めばいい」と考えていても、家の管理や修繕、固定資産税など、別の問題が出てくることがあります。

住む場所だけでなく、その暮らしをどう維持するのかまで考えてみましょう。


④ 生活に必要なお金は足りる?

親なき後の生活では、「毎月いくら必要なのか」と「どこからお金が入ってくるのか」を知っておくことが大切です。

  • 給与などの収入がある?
  • 障害年金を受給している?
  • 将来、どのくらいの収入が見込めそう?
  • 毎月の生活費がどのくらいかかるか把握している?
  • 収入だけでは足りない場合、どう補うか考えている?

「親がいなくなったら、お金が足りるのか」という不安は、漠然と考えていると大きくなります。

まずは、今の生活に毎月いくらかかっているのかを整理することから始めてみましょう。


⑤ お金や財産は、誰が管理する?

収入があっても、それを本人が管理することが難しい場合があります。

また、親御さまの財産を将来お子さまに残す場合には、「いくら残すか」だけでなく、そのお金を誰が、どのように管理するのかも考えておく必要があります。

  • 給与や年金を本人が管理できる?
  • 日々のお金の管理を手伝ってくれる人がいる?
  • 大きな支出や契約のとき、相談できる人がいる?
  • 親の財産をどのように残す?
  • お子さまが相続した財産を、将来どう管理する?

ここまで考えると、遺言や成年後見、信託などの制度が必要になるケースもあります。

ただ、最初から制度を決める必要はありません。

まず「何が困りそうなのか」を整理することから始めましょう。


⑥ 親がいなくなった後の「手続き」はどうする?

生活そのものだけでなく、さまざまな手続きについても考えておきたいところです。

  • 行政手続きや契約を本人ができる?
  • 本人が難しい場合、誰がサポートする?
  • 病院にかかるとき、誰に相談する?
  • 緊急時の連絡先は決まっている?
  • 親しか知らない情報を、家族や支援者に伝えている?

銀行口座や保険、年金、障害福祉サービスなど、親御さまが管理しているものは意外とたくさんあります。

「自分がいなくなったら、誰もわからない」という状態にならないよう、少しずつ情報を共有しておきましょう。


すべて決まっていなくても大丈夫

ここまでチェックしてみて、「全然決まっていない」と不安になられることもあるでしょう

でも、これから考えたいことが、見えてくるだけでも大事な一歩です。

「住まいはまだわからない」
「きょうだいとは、これから話したい」
「お金の管理については心配」
「障害年金を受け取れるのか調べていない」

まずは家族で決まっていることと、決まっていないことを書き出してみてください。

その中で、「家族だけでは決めにくい」「制度について詳しく知りたい」ということが出てきたら、その部分から専門家や支援機関に相談していけば大丈夫です。

親なき後の準備は、一度に完成させるものではありませんので

その時々の状況に合わせて、家族で少しずつ考えていきましょう。

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