ぜんち共済などの掛け捨て保険、解約するか続けるか|親なきあとを見据えた掛け捨て保険の見直しポイント

障害のあるお子さまを対象とした ぜんち共済のあんしん保険。

知的障害や発達障害のある方でも加入しやすい保険として、支援者や周囲から勧められたり、「万が一に備えて」と加入されたご家庭も多いのではないでしょうか。

障害のあるお子さま向けに設計された保険という安心感があり、実際に助けられたご家庭もあると思います。

一方で、お子さまの成長やご家庭の状況は、加入した当時から少しずつ変化していきます。

医療費助成制度が利用できるようになった。
預貯金が増えた。
火災保険や自動車保険で賠償責任もカバーされていた。

このような変化があれば、加入した当時と同じ保障が今も必要とは限りません。

この記事は、「解約した方がいい」というお話ではありません。

親なきあとを見据えたときに、ご家庭にとって本当に必要な保障になっているか、一度見直してみるための参考として読んでいただければと思います。

この記事は掛け捨て保険を否定するものでありません。親なきあと全体の資産継承を考える立場として、『今の状況に本当に合っているか』を一度考えてみることも大切だと思っています。


目次

見直しポイント① 医療費助成で自己負担はどれくらいありますか?

ぜんち共済には、病気やケガによる入院・通院への保障があります。

一方で、多くの自治体では、小児医療費助成や重度心身障害者医療費助成などにより、医療費の自己負担が大きく軽減されています。

もちろん、差額ベッド代や付き添いにかかる費用、食事代などは別途必要になる場合がありますが、

「もし入院しても預貯金で対応できる」

というご家庭であれば、医療保障をどこまで必要とするかは、一度考えてみてもよいでしょう。


見直しポイント② 個人賠償責任保険は重複していませんか?

ぜんち共済には個人賠償責任保障があります。

これは、お子さまが誤って他人の物を壊してしまった場合などに備える大切な保障です。

しかし、この保障は火災保険や自動車保険の特約として、ご家族全員が補償されているケースも多いです。

もし、他の保険で同じ内容がカバーされているのであれば、保障が重複していないか確認してみることをおすすめします。


見直しポイント③ 万が一の費用は預貯金で備えられますか?

ぜんち共済には、権利擁護費用(被害者になったときに、弁護士へ相談・依頼する費用)など、障害のある方向けならではの保障があります。

一方で、ある程度の預貯金があり、数十万円程度の急な支出であれば家計で対応できるご家庭では、「自家保険」でカバーするという考え方もあります。

毎月保険料を支払い続ける代わりに、その分を預貯金や資産形成に回し、必要なときには自分の資金から支払うという方法です。


ケース別 こんなご家庭はどう考える?

ケース① ぜんち共済が今も合っているご家庭

次のようなご家庭では、ぜんち共済は心強い備えになるでしょう。

  • 預貯金がまだ十分ではない
  • 障害があり、加入できる保険が限られている
  • 日常のケガやトラブルへの備えを重視したい
  • 権利擁護費用や相談サービスにも安心感を感じている

保険は、給付金だけでなく「困ったときに備えている安心感」も大切な価値です。


ケース② 見直しを検討してもよいご家庭

次のようなご家庭では、一度保障内容を整理してみてもよいかもしれません。

  • 医療費助成で自己負担がほとんどない
  • 数十万円程度なら預貯金で対応できる
  • 個人賠償責任保険は他の保険で加入済み
  • 加入以来、一度も保障内容を見直していない

毎月の保険料を預貯金や投資信託などの資産形成に回した方が、お子さまの将来のためになるケースもあります。


ケース③ もっと手厚い医療保障を考えたいご家庭

逆に、ぜんち共済だけでは少し心配というご家庭もあります。

例えば、

  • パニックなどがあり、入院する場合は個室になる可能性が高い
  • 差額ベッド代への備えを重視したい
  • がんにも手厚く備えたい
  • 入院給付金はもう少し充実している方が安心
  • 先進医療などにも備えておきたい

このようなご家庭では、ぜんち共済だけではなく、引受基準緩和型医療保険なども含めて比較してみる価値があります。

ぜんち共済は加入しやすさや障害のある方向けの保障が魅力ですが、給付金額は比較的コンパクトな設計です。

「どんなリスクに備えたいか」を考えながら、ご家庭に合った保険を選ぶことが大切です。


ケース④ 保険より「親なきあと資金」を優先したいご家庭

親なきあとを考えると、医療保険だけでは解決できない問題もたくさんあります。

将来のお金の管理。
生活費と住まい。
成年後見制度
遺言書や信託などの法的な準備。

こうした備えには、まとまった資金が必要になることもあります。

毎月の保険料を見直すことで固定費が減れば、その分を預貯金や投資信託などに回し、お子さまの将来の生活資金として準備することもできます。


最後にもうひとつ。その保険、将来は誰が請求しますか?

保険を考えるとき、多くの方は「どんな保障があるか」「保険料はいくらか」という点に目が向きます。

でも、「親なきあと」を考えると、もうひとつ

その保険金は、将来誰が請求するのでしょうか。

親御さまがご健在であれば、入院や通院のあとに保険会社へ連絡し、必要書類を集めて請求することは、難しくないかもしれません。

しかし、親なきあと、お子さまご本人だけで同じ手続きができるかどうか

保険会社へ連絡する。
診断書を準備する。
請求書を記入する。
必要書類を提出する。

ご本人ひとりでは難しくても、ご家族や支援者、成年後見人などが関わることで請求のサポートができます。

保険を見直すときは、

「親なきあと、この保険を管理し、必要なときに請求できる人がいるだろうか。」

という視点を持ち、家族や後見人と連携をしていくことが親なきあとで大切だと考えています。

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