「親なきあと」と聞くと、多くの親御さまがまず心配するのはお金のことではないでしょうか。
障害年金だけで生活できるだろうか。
親が亡くなった後の生活費は足りるだろうか。
特定贈与信託や生命保険信託、家族信託は必要なのだろうか。
住まいはどうしたらいいのだろうか。
私自身も、同じでした。
「将来いくら必要なんだろう」
「どれくらい残してあげれば衣食住に困らないんだろう」
「進むインフレに、どう対策していけばよいのだろう」
そんなことばかり考えていました。
だからこそ、資産運用や共済、信託、について調べ、実際に申し込みをしたり、専門家の話を聞いたりしてきました。
でも、調べれば調べるほど気づいたことがあります。
それは、
本当に不安なのは、お金だけではない
ということです。
もし明日、私が突然いなくなったら。
子どもたちの生活費は、何とかなるかもしれません。
けれど、
「最近元気がないね」
と声をかけてくれる人はいるでしょうか。
体調を崩したときに気づいてくれる人はいるでしょうか。
薬の飲み忘れに誰が気づいてくれるのでしょうか。
「部屋片付けなさい」と誰が注意するのでしょう。
困ったことがあったときに相談できる人はいるでしょうか。
誰かに騙されそうになったとき、気づいて止めてくれる人はいるでしょうか。
上手に伝えられないけれど、本当は助けを求めていることに、一体誰が気づいてくれるのでしょうか。
私が本当に心配しているのは、そこなのです。
親として暮らしていると、毎日のように子どもの変化を見ています。
顔色。食欲。表情。学校での様子。
親だからこそわかる小さな変化があります。
「どうしたの?」「大丈夫。きっと、なんとかなるよ。」「毎日がんばっているね」
と誰が私の代わりに声をかけてくれるのでしょうか。
親が亡くなった後、その役割を完全に引き継げる制度はありません。
お金を残す制度はあります。
財産を管理する制度もあります。
けれど、
「我が子を気にかけ続けてくれる人」
を用意する制度はないのです。
だから私は最近、「親なきあと対策」という言葉の意味を少し違う角度から考えるようになりました。
もちろん、お金の準備は大切です。
遺言も必要です。
けれど、それだけでは足りません。
どんな支援者とつながっているのか。
どんな友人がいるのか。
どんな福祉サービスを利用しているのか。
どんなことが好きで、どんなことが苦手なのか。
本人はどんな環境を求めているのか。
家族は何を願っているのか。
そうした情報や人とのつながりも、親から子へ残していく大切な財産なのだと思います。
私は行政書士として遺言や相続のお手伝いをしていきたいと考えています。
でも、遺言書や契約書を作る人になりたいわけではありません。
家族の想いがきちんと届くこと。
残された家族が迷わないこと。
障害のあるご本人が、親の深い愛情をお守りにし、安心して幸せに暮らし続けられること。
そんな「家族のつながり」まで含めて考えられるサポートをしていきたいと思っています。
そんな想いを込めて、親から子に伝える 『事務所オリジナルのエンディングノート』も
じっくり時間をかけて制作しています。

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